キッチンは、広ければ広いほど良いというわけではありません。家族の数や、ライフスタイルに合ったキッチンを選ぶことが何よりも重要です。
ここでは、「独身者が、自分の終の住処としての家を購入する場合におすすめのキッチン」として、コンパクトキッチンを取り上げます。

小さなキッチンを「コンパクトキッチン」と呼ぶ

写真ac – 検索 (bing.com)

「コンパクトキッチン」は、「ミニキッチン」「ハーフキッチン」とも呼ばれます。その名前からも分かるように、コンパクトキッチンは、一般的なキッチンに比べてサイズが小さく、簡素な作りをしているのが特徴です。

間口は90センチ～150センチの範囲に収まることが多いといえます。一般的なキッチンの間口が180～300センチであることを考えれば、コンパクトキッチンの大きさが分かりやすいでしょう。
コンパクトキッチンは、多くの場合、一口コンロと小さなシンク、そして簡素な調理スペースで構成されています。現在は収納や素材（ステンレス・人工大理石など）、カラーにこだわったコンパクトキッチンも多く出ており、シンプルながらまとまっていて、機能も充実しているコンパクトキッチンが多く見られます。

ただ、「充実した機能」をウリにしているコンパクトキッチンであっても、やはりその機能は一般的なキッチンに比べると不便さを感じることはあるでしょう。本格的な調理機器の導入にはどうしても制限がありますし、トップ（調理台）の狭さから、本格的な料理はしにくい……と感じることもあるかと思われます。
そのため、「コンパクトキッチンにするか、どうか」は、コンパクトキッチンの特徴や、自身のライフスタイルを考慮して決めていく必要があります。

コンパクトキッチンの特徴と、コンパクトキッチンが向くライフスタイルについて

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ここからは、コンパクトキッチンの特徴と、コンパクトキッチンが向くライフスタイルについて考えていきます。
 

コンパクトキッチンは価格が安い

コンパクトキッチンは、一般的なキッチンに比べるとサイズが小さく、機能の面でも制限があります。
このため、一般的なキッチンよりも価格が安く、導入しやすいのが大きなメリットです。
コンパクトキッチンの費用相場は10万円～20万円といわれています。一般的なキッチンの価格は50万円～180万円（こだわったキッチンを作った場合は、200万円を超えることもあります）であることを考えれば、コンパクトキッチンがいかにリーズナブルなものであるかがわかるでしょう。
 

省スペース化ができるので都心部の家などに適している

コンパクトキッチンは、そのコンパクトさゆえに、省スペース化ができるという特徴があります。「もともと家の敷地面積が狭く、大きなキッチンを作ってしまうとリビングが圧迫される」「都心部に家を建てる。土地代が多くかかるので、家は小さくしたい」と考える人に、コンパクトキッチンは向いています。
また、「そもそも料理をあまりしないし、お湯を沸かしたり、電子レンジを使ったり、簡単な洗い物をするときくらいにしかキッチンを使わない」という人にとっては、コンパクトキッチンは必要十分なものだといえるでしょう。

一人暮らしの家だけでなく、事務所やセカンドハウスにも向いている

ここでは「一人暮らしの人が家を建てる場合」を想定してコンパクトキッチンを紹介していますが、事務所やセカンドハウスに入れるキッチンとしてもコンパクトキッチンは人気です。
一人暮らしの場合は、料理を趣味とする人でもない限り、そもそも洗い物や扱う食材が少なく、コンパクトキッチンでも事足りることが多いといえます。
事務所は、使う人の数こそ多いものの、本格的な「料理の場」としてキッチンが使われることはほぼありません。セカンドハウスの場合はそもそも使う頻度がそれほど高くないため、コンパクトキッチンでも不便さを感じにくいという特徴があります。

掃除が簡単

見落とされがちなコンパクトキッチンのメリットとして、「掃除が簡単である」という点が挙げられます。
コンパクトキッチンは一般的なキッチンに比べて狭いため、掃除の手間を最小限に抑えることができます。特にIHコンロの場合は、五徳を洗う必要もなく、拭き上げるだけで掃除が終わります。現在のコンパクトキッチンは「使いやすさ」「お手入れのしやすさ」を念頭に置いて作られていることもあり、お手入れに手間取ることはほとんどないでしょう。

料理が趣味であったり、家族の数が多かったりする人の場合は、コンパクトキッチンでは不便さを感じることがあります。しかし料理をあまりしない人や一人暮らしの人にとっては、コンパクトキッチンという選択肢は有用なものであるといえます。

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鍋谷萌子

インテリア関係・建築関係・リフォームや内装関係の記事を1000件以上手掛けてきたプロライターです。自分自身も注文住宅を一から作り上げた経験を持ち、ホームバーなども制作しました。
「住みやすい家、使いやすい家」はもちろんのこと、「すてきな家、美しい家」を作るためのお手伝いをします。